さくら道国際ネイチャーラン『三姉妹物語』第一話

さくら道からちょうど1週間が過ぎようとしています。

楽しかったり辛かったり、嬉しかったり悲しかったり…いつまで走り続けないといけないんだろう、いつまで走れるんだろう…そんな色々な感情と向き合いながらの250km。
そして長い長い道のりのゴールにはたくさんの感動が待っていました。

そんな『さくら道三姉妹物語』を少しずつ振り返りながら綴っていこうと思います。


まずこのさくら道を走るきっかけになったのがKotomi&Naoちゃん。
レースではちょこちょこ顔を合わせてはいましたが、3人でちゃんと会うのは彼女達が2008年のさくら道レース2週間前のことでした。
この時江戸川沿いをLSDしたのですが、どこからどーみても普通の女の子です。
とてもスパルタスロン、萩往環、甲州街道、そしてさくら道を次々と完走してしまうスーパーウルトラ女子には見えません。

Naoちゃんが『私さくら道を10回完走するのが夢なんです』と。
サロマンブルーなら知ってるけど、さくら道10回って…なんなんだぁ?!
さくら道はどんな魅力があるレースなんだろうと。

もちろん二人ともしっかり完走してきましたよ。

しかも、Kotomiちゃんはこの時のさくら道がきっかけで交際が始まり半年後には結婚へ。

さくら道ってどんなにパワーいっぱいのレースなんでしょう!

この二人に刺激を受けて私もさくら道にチャレンジすることに決めたのです。

レース前の準備や心構えも二人が全て先生です。
またKotomiちゃんは地元の櫻木神社で神頼みしてきてくれて、レース中に3人お揃いでつけるお守りをもらってきてくれました。

Naoちゃんはレポート用紙7枚にもなる『さくら道虎の巻』を作ってくれてコースやエイドのことなどレースを事細かく教えてくれました。

走る前から妹二人に支えてもらい本当に心強かったです。

レース前日に必ず出席しないといけない開会式。
大会委員の方々のお話や選手代表の挨拶、参加選手一人ずつの紹介などが続きました。
その後レースの注意事項の説明があり、エイドに置く荷物預け。

これ↓ゴミ袋の山ではありませんよ〜。ランナーの各エイドに預けるものです。

私はCP1の白鳥(106km)にライトや上着を預け、あとは食べれなくなることを想定して栄養ドリンク、ゼリー、眠気対策の薬やガムを何箇所かに分けて預けました。


レース前の夕食はKotomiちゃんと二人で宿泊ホテル内のレストランで食べました。
Naoちゃんはアルコールローディングで世界の山ちゃんへ(笑)

私が食べたメニューには、ひつまぶし・味噌カツきしめんと名古屋の美味しいものがいっぱいあって満足〜♪

レース後は内臓疲労でまともな食事をしていないのでこの食事がこの1週間で1番で美味しいものになりましたね。
 


21時にはグッスミンを飲んで就寝するものの、1時間起きに眼が覚めました。
気持ちが高ぶっていたのでしょうね。
それでも繋ぎ繋ぎに4時までは寝ました。
寝不足って感じはなかったのでOK!
っていうよりめちゃくちゃ緊張していた気がします。

ホテルのロビーに5時15分に待ち合わせしていたので降りていくけど、Naoちゃんがいないぞ〜。
Kotomiちゃんに聞くと『Naoちゃん寝坊したから先に行ってて』と。

名古屋城の入り口まで移動しNaoちゃんを待ちます。
このレースを全行程で見守ってくれる自衛隊ジープも名古屋城に次々と入っていきます。

入り口前には早朝にもかかわらずたくさんの応援の方が待っていてくれました。

長野からはきたむぅが駆け付けてくれていましたよ。

Naoちゃんはほんと1番ギリギリに到着。
しかもパンを片手に朝食中のご様子。
それを見たKotomiちゃん『去年と全く同じパターンですから心配しなくて大丈夫ですね。今年も完走出来ますから』と。

しっかり者の二女、おきゃんな三女、そして長女の私は自分のことでいっぱいいっぱいです。


ゴール行きの荷物を預け、最終点呼。
スタート前に写真を撮り合ったり、握手をしてエールを送り合ったりと和気あいあいって感じです。
フルマラソンのスタート前のあの緊迫した感じは全くありません。

6時ちょうどに第1組がスタートし、3分ごとのウエーブスタートで6組に分かれています。
私は第2組で早いスタートなので、まだまだたくさん残っているランナーさんに見送ってもらいながらスタートを切りました。

スタートしてから30kmくらいまでは市街地が続くので何度も信号に引っかかります。
しかも何故か1時間もしないうちにトイレ(小さいほう)に行きたくなりました。
公園やコンビニにガソリンスタンドに何度も駆け込みます。
6分ペースくらいで走っていたと思うのですが、同じ組でスタートした人は遥か彼方に見えなくなってしまい断トツのビリでした。

そのうち3分後、6分後にスタートした妹二人が追い付いて来てくれるだろう〜と思いながらそのまま走ります。

今大会を圧倒的な速さで1番にゴールされたKさんが軽やかに駆け抜けて行かれました。
『キロ5分で走れば信号引っ掛かりませんよ〜』と名言を残して。

あっ〜無理です。私はそれだと40kmでレース終了です。
一日目の気温は24度ということでしたが、日差しがそんなキツクなく、爽やか風も感じて気持ち良く走れました。


エイドも噂通りに充実していて24時間くらいまではパクパクとたくさん食べました〜。

おにぎり、サンドイッチ、素麺、おいなり、巻き寿司、おかゆ、豚汁、カレー、フルーツ、梅干し、ドーナツ、ヨーグルト、プリン、パイ、ケーキ、チョコ、カステラ、羊羹、ポテチ…たくさん食べた記憶があります。

ピットインしなかったエイドは二カ所くらいかな。


70kmくらいで一緒に夜間走練習をした、ちぃさんに追い付かれました。
とっても元気な彼とおしゃべりしながらしばらく並走。
(ぶれちゃったゴメン。実際はもっとイケてるお兄さんです)

このあと彼は28時間台、4番目でのゴール。初めてのさくら道なのにすごいなぁ。

聞いたら彼はここまでゆっくりペースで来たので全く脚を使っていないとのこと。
えっ、私は徐々に脚重くなってきてるんですが…。

私は白鳥のチェックポイントに17時50分頃に到着したかったので、まだ時間は十分あったし、無理して彼について行って潰れるのが怖かったのでペースを落とすことにしました。


美しい風景が続きます。
新緑でまぶしい山々や綺麗な河川。
橋をいくつも渡り、小さな駅の側を通り抜け、気持ちがどんどん洗われていきます。
さくら道はどんどん景色を変えながら進んでいきます。










予定より早く17時35分に白鳥に到着です。
この白鳥には私のラン友達のバニーさんが待っててくれています。
彼女も去年からウルトラを始めてサロマ100kmデビューでいきなりサブ10の実力の持ち主。
いっしょにさくら道にエントリーしたものの残念ながら選外になってしまいました。
それでも『さくら道』にどうしても行きたい!という気持ちが強く白鳥エイドでサポートスタッフとして参加することになったのです。

そんなバニーさんが待っていてくれた白鳥エイド。
嬉しくて、嬉しくてたまりません。
彼女の顔を見てパワーいっぱいもらえました。
預けておいた荷物を受け取り、おかゆと豚汁を食べ、バニーさんと完走を誓う握手をして再びスタートです。
まだこれから150km近く走らないとダメなんですからね。
今までがアップでここからが本当のレースのスタートといった感じですね。

物語はまだまだ続きます。