富士山

富士登山競走、山頂コース初チャレンジしてきました!


5日前のおんたけ100kmの疲れ、2週間前の転倒で痛めた右膝、5合目突破出来ればいいかなぁ…と正直思ってました。
結局1回も試走も行かなかったし、山頂に登ったのは3年前。
その頃は富士登山競走は一生出ないと思ってたくらいなので、ゆっくりタラタラしか登ってないし。完走出来ないに、100票!!

それでも、前日富士吉田まで連れて行ってくれた某放送局のお天気お兄さん(8回完走)に車の中で色々レクチャー受けているうちに、せっかくお休み取ってまで参加を決め、周りのみんなからは、大丈夫?と身体の心配をさせてしまい、それならば、やれるところまでは頑張らないと申し訳ないって気になってきました。


当日は、腕に各関門の通過タイムを記入。
パンフに過去の大会データーで、4時間25分から30分に完走した人の関門ごとの平均通過タイムが載っていたのでそのまま転記しました。

スタート順はBブロックなので(去年の5合目タイム順)真ん中あたりからスタートです。
でも、いきなり回りのランナーは坂道ダッシュのように進んで行き、私はどんどん遅れます。

あちぃ〜。
膝痛い〜。

後ろからきたCブロックの女子にも次々と抜かれました。
それでも馬返しまでは絶対歩かないと決めてたので、ゆっくりだけど登っていきます。
なんだか異常に、呼吸が荒々しくて恥ずかし。

馬返しを過ぎると、もう歩いてOKなので、前の人にひたすら着いていきます。

そして、5合目の目標タイム2時間8分→私のタイム2時間14分。
関門閉鎖6分前でした。
ダメじゃん〜。

多少渋滞があったものの、遅すぎます。
ちなみに去年の私の5合目コースは2時間5分です。
10分近く遅いことになります。


でも、とりあえず8合目までは登らせてもらえる!
5合目じゃぁ富士山に登ったと報告出来ないけれど、8合目までなら、登ったと言えるし。

気を取り直し、ここから7合目までひたすらトコトコ歩き、岩場はまるでお猿サンのように四つん這いで進みます。
体重が軽い私なので、ここでひょいひょいとたくさんのランナーを追い抜くことが出来たみたいです。

そして、そして…やってもうたぁ!
まさか!!
どうして!!!


登山道から茶屋に出ようとして走れる場所に来た時、思いっきり転びました。
嘘みたいな本当の話です。

余りにも恥ずかしくて、サクッと立ち上がったつもりが、2歩進んだら、またヨロヨロとして、もう一度転びました。

回りのランナーの沈黙…茶屋前の登山客のぽっか〜んとした顔が忘れられません。

けれど、ぜんぜん平気だよ〜と空元気で、また登山道に出て行きました。

左膝を見ると、血がたらたらと脚を流れてきます。
ザックリいっちゃったようです。かと言って、こんなところで治療出来るわけじゃないし、止まったら終わりだし、どうすることもできません。
幸いにも打撲の痛みは感じません。
これで8合目終了の言い訳も出来たことだし、この後は慎重に行こうって思いました。

すると、前にいたお兄さんが私に向かって手を挙げ『ごめんなさい』と。
この方と接触したのかしら?
あまり覚えてません。

高山病もあったのか、ぐっとテンションも下がってきて、気持ちはどんどんリタイアの方向へ。


結局、8合目は3時間54分で通過です。関門閉鎖6分前。
でも目標タイムが3時間52分だったので、完走出来るのかどうかはさっぱりと見当が付きません。


そこへ後ろから『ぴのさ〜ん!』と私を呼ぶ声が。
立ち止まると、川の道や雁坂に参加してくれてるTAKAさんが駆け寄ってくれて、『これ食べて下さい』とアミノバイタルゼリーを手渡してくれました。
『諦めちゃダメですよ!絶対行けますからねっ。完走して下さいよ』と。
なんだかその言葉にぐっときました。
いつも私が大会でサポートしているランナーからもらう励ましは、本当に心に響きます。

9合目にはN野さんがコーラを準備して待っててくれました。
私の姿を確認すると『よ〜し!来た、来た、来たなぁ〜!プリティ〜(N野さんは私をこう呼びます)。よく来たな。いいぞ、いいぞ!完走出来るぞ!こっから立ち止まんなよ。行けぇ』と送り出してくれました。

N野さんの完走出来る!の言葉は回りのみんなのテンションもあげあげにしてくれたのか、ここからは声を掛け合いながらゴールを目指すことになりました。
『行くぞー』おーっ!
『みんないっしょにゴールすんぞ』おーっ!
『前止まるな〜』おーっ!
『諦めるな』おーっ!
『負けんな』おーっ!
みたいな掛け合いが続きます。
私は、胸がいっぱいになってきました。
掛ける言葉が見つからず、おーっ!を繰り返します。

そして鳥居をくぐり抜けました。
たくさんの人からの歓声を浴びて、わぁーわぁー叫びながらゴール!!!

4時間26分。制限時間4分前のゴールです。
少し前にゴールしたnaoちゃんとわぁーわぁーと喜び合い、いっしょにゴールしたイタキチさんともわぁーわぁーと手をつないで跳びはねます。

そして、なおちゃんにゴールを見ようと誘われ、今度は応援する側に。
ゴールに向かってくるみんなに『がんばれー!』『行けるぞー』『1分前!』『早く、早く』『まだ間に合う』『急げ〜』と叫びます。
興奮状態で自分でも何を言ってるか訳わかりません。
そしてゴール閉鎖。
目の前にバーが下ろされガックリとしたランナーの姿。

知らず知らずの間に涙が出てました。涙を拭きながら、横を見ると、知らないおっちゃんも涙を拭いてました。

こんな経験は初めてでしたね。
参加取りやめようかとさえ思った富士登山競走。
何事もやってみないとわからないと学びました〜。

あぁ、良かった、良かった。

膝の傷は悲惨(泣)
ほんとにしばらく休足します。