ようこそ、もろやまトレイルへ。
名もないトレイル。
そのトレイルに出会ったのは、2010年の秋。
まさかこんなところに取り付きがあり、どんどん進んで行くと奥武蔵グリーンラインに出るとは。
その時の嬉しい気持ちは、今でも忘れない。
「新しい発見」。
新しいトレイルの楽しみを覚えた私は、その次、さらに奥へ行ってみると、大きな大きな杉を見つけた。
この杉に手を当てると、なぜかパワーがもらえる気がした。
改めて、山地図を見ると破線ルートとして載っているし、大きな杉には「一本杉」という名前があったのだから、発見でも何でもないのだけど、私にとっては自分のトレイルのような気がしてならなかった。
この1年半、何度も何度もこのトレイルに入り、さらに桂木方面や顔振方面に足を伸ばして行った。
何十回このトレイルを通っただろうか。
そして、このトレイルは、5月13日、第1回新緑の奥武蔵もろやまトレイルランのコースとなった。
みんなに、このトレイルを知ってもらえる嬉しい気持ち。
そして、これからは私の秘密?のマイコースがたくさんの人に知られ、私の手から離れて有名になってしまう、ちょっぴり淋しい気持ち。
大会準備は年明けから始め、コース設定、距離計測、地元の方との折衝、参加者募集、コース整備、案内板の表示…。
短い期間でどんどん進んで行かなければならない。
また、進めて行けば行くほど、この大会への思い入れも大きく大きく膨らんでいた。
そして、大会当日。
これ以上ない五月晴れ!
1人でも多くの人にこの大会を楽しんでもらいたい。
笑顔でゴールしてもらいたい。
第1回大会は予期せぬことも起きてしまい、エイド、誘導、表彰…いくつかの失敗もあり、やっぱり100点は取れなかった。
それでも、たくさんの方から、「楽しかった!」と言ってもらえた。
事務所に戻り、後片付け。
エイドで使ったジャグを洗っていると、不意に涙がポロポロ出た。ほっとしたんだと思う。
1日置いて、コースの後片付けに1人コースを回る。
600人以上のランナーがここを通ったんだなぁ。
時々落ちてるサプリのゴミや、エイドで使ったプラコップ、グレープフルーツの皮を拾う。
回収出来てなかった案内板も外して行く。
地元の方にお礼の挨拶。
結局、平日ということもあり、誰にも会うことはなかった。
ゆっくりとコースを回り、コースにお礼が出来た。
もろやまトレイル。
奥武蔵の里山をつなげたトレイル。
名もないトレイル。
いつも静かで穏やかトレイル。
これからも、私の大切なトレイル。