富士五湖巡り〜精進湖・本栖湖〜

青木ヶ原樹海を抜け3つの橋を渡ります。この60km地点の下り坂はかなり前方が開けていて
遠くまで見渡せ、斜度がキツくない坂ですのでとっても気持ち良く走れるポイントです。
逆に復路では私の富士五湖コースで最大に苦手な区間になりますが…。

そして精進湖へ。富士五湖の中では一番小さな湖なのですぐに終わります。
しばらくして向こうからゆうじが走って来るのが見えました。
同スタートなのに私はまだ67kmくらい、ゆうじは83kmくらいでしょうか。
こんなにも差が開いていました。
すれ違い際にゆうじは指を2本立てました。
これピースサインじゃないですよ。

事前に私が今女子で何位にいるかが分かったら教えてね!とお願いしてあったのです。

私はどうやら2位のようです。
自分では3、4位辺りかな?と思っていました。

そして69kmのエイドへ。
このエイドには荷物が預けられるので後半に必要なメダリスト、アミノバイタルプロ、アミノバイタルゼリー、パワージェルを置いておきました。
それらをウエストポーチに急いで詰め込み本栖湖一周の始まりです。
これまでどのエイドもほとんど立ち止まらないように心掛けてきました。
一度休むと次に走り出すの大変だし、せっかく頑張って走って作った10秒…1分の貯金がエイドでのんびりしちゃうとすぐなくなってしまうのは割りに合わないですよね。

本栖湖は1周は11kmくらいです。
100km・70kmの部はこのエイドで折り返しなので本栖湖を周回するランナーは激変です。
もう前にも後ろにもランナーの姿はなく『さびしいよ〜』と叫びたくなります。
けれど…この本栖湖は透明度が五湖の中で一番で、とっても美しい湖なのです。
この湖と富士山、逆さ富士は千円札の絵柄にもなっているんですよ。
湖畔沿いの新緑の樹木は束の間、レースの辛さを忘れさせてくれます。
本栖湖のエイドは一ヶ所だけなのですが、ここで『今女子2位だよ』と正確な順位を教えてくれました。
私がどれくらい差があるか尋ねると、ボランティア3人の方は『5分だ』と言う人、『いや2、3分くらいだよ』『すぐ前だよと。ぱぱっーと行けば抜かせるよ』と少しずつ答えが違ってましたが、そんなに開いてはいないようです。

ここでちょっと賭けに出ました。本栖湖一周を終えるとまた荷物を預けた大エイドに戻るコトになるのですが、少し進路を逆走しなければなりません。給水テーブルもかなり奥まった所にあります。
このロスは1分以上あるはずです。
でもこのエイドを利用しない人は直進出来るのです。
迷わずスルーすることにしたのです。


しばらくすると運良く私設エイドを発見!
しかもこの私設エイドはclub MY☆STARの代表・岩本クン、メンバーのますみちゃん、岩本クンのお友達ランナーさんが開いているエイドでした!
どの時間帯にどこでエイドを開くかは聞いていませんでしたのでここで会えるとは!

このエイドは私達メンバーのためのサポートエイドではなく参加ランナーのみんなのための私設エイドです。
氷入りの冷たいコーラ、オレンジ、すいかなどを配っていました。
もしこれを個人やチームメンバーだけに提供すると助力とみなされルール違反です。
逆にこの私設エイドを運よく利用出来たメンバーの方が少なかったくらいです。
もちろんノーゼッケンでの伴走などは絶対やってはいけない行為です。
これらの色々なルールを守ってこそがウルトラを愛するclub MY☆STARメンバーなんですから。


私は岩本クンに『111kmのトップの女性とどれくらい開いてる?』と聞きました。すると『かなり前だよ。相当離されてるよ。』と。
私の今のこのペースだと、追い付くどころか離される一方なんだとショックを受けました。
けれどここで諦める訳にはいきません。
せめてトップの背中を見える位置まで行こう。
追うために必死に走る戦法に変えました。


そして、これが今回の私の優勝のポイントだったのかも知れません。
なぜなら、実はこの時私はすでにトップに立っていたのです。
先行していた1位の女性は私がスルーした大エイドに立ち寄っていたそうです。その間に私は彼女を抜いていたのです。

また私はそこから見えないトップに追い付きたい追い抜きたい一心で走りましたし、反対にトップだった女性はまだ抜かされていないと安心していたはずですから。

『離されてるよ』と言った岩本くんは、実際100kmや70kmの女性ランナーが次々と折り返して行くし、エイドで手一杯で私の順位のどうこうなんて分かってなかったのでしょうが、この言葉が私に火を着けたのですからやはり彼は私の名コーチなのでしょうね。

レースはいよいよ終盤に!