SPARTATHLON 2007 さぁ長い旅の始まりです

Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!
Up above the world so high,
Like a diamond in the sky.
Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!


標高1200mのサンガス山を登りながら、この歌を繰り返し口ずさむ。
目の前に広がるのはまさしく歌詞通りの光景。
しばし足を止めて手を星空に思いっ切り伸ばしてみる。
もう少し、もう少し・・・もしかしたら星が掴めるかも。
そんな錯覚に陥るほど目の前に満天の星空。


あっ、流れ星。
一瞬で何も願い事は唱えられなかった。


誰もいない。
さっき一人抜かれたけれど、もうその人の姿は全く見えない。
下を恐る恐る覗き込むが誰も登ってきていないようだ。
一人。


遠くへ来ちゃったなぁ…。ダメダメ、先を急ごう。
これからまだもっと遠くに行かなきゃいけない使命があるのだから。

また歌を繰り返し口ずさみながら一歩ずつ登り始める。



Friday,September 28
■07.00

 
300人を超えるランナーがアテネパルテノン神殿の下からスタートし、246.3km先のスパルタ・レオニダス王の像を目指します。

スタート直後には下り坂の石畳ロード待っています。
しかも夜が明けきっていないのでまだ薄暗い。



ここで(得意の)転倒でもしたら私のスパルタは5分で終わってしまいます。
慎重にゆっくりゆっくり走り始めました。




出発前に決めたペース設定では
約40kmのCP(チェックポイント)10を4時間くらいで通過、
つまり6'00"/kmくらいで入り、
CP.22の81kmを8時間45分で通過予定。
ここまでを予定通りに来れたら
制限時間がCPを通過する度にどんどん緩くなると聞いている。
もちろん私の走りも遅くなるけどネ。
スローペースであるが序盤は落ち着いてレースを運び、
中盤に余裕を作り
終盤はひたすら粘る。
34時間台くらいでゴールするレース展開。
大小のアクシデントが起こっても
34時間台を目指していれば時間内完走に繋がるはずだ。


とにかく、
何が何でも、
ゴール後に気を失ったとしても、
絶対に完走するんだ!


■CP.10(40km)
11:04(4H04')

このCPには国際スパルタスロン協会日本支部の坂本節子さん、
ランナーズ・ウエルネスのスタッフの方々、そして参加者のご家族の方が
前夜に握ってくれたお握りが置いてあります。

スパルタスロンというレースは参加費は250ユーロ(現在の相場は1ユーロ:160円くらい)。

これには選手村ホテル4泊しかも3食付き+スパルタホテル1泊+ホテルからスタート地点への送迎+スパルタからアテネへの送迎+75箇所のCPにある給水・給食+表彰式(ビュッフェ式のディナーにワインもビールもたくさん頂けます)付いてます。
これが300人分!
ホテルの相場は確か1泊シングルで14000円くらい。
いったい…どれくらい赤字が出ているのか全く計算出来ません。



あっ、話しが逸れてしまいましたが、
私はこの選手村ホテルには宿泊せずにウエルネスさんと一緒に旅をさせてもらい、レース中のサポートもお願いしました。
なので別経費(900ユーロくらい)を支払っています。
これを安いor高いと思うかは個人の問題ですが、私はとても満足した旅とレースをウエルネスさんのおかげで送ることが出来ました。





あっ…まだ話しが逸れたままですね。


そうなんです、お握り。
このお握りは一緒に旅した愛子さんが握ってくれた愛情たっぷりのお握りなんです。
愛子さんは70代半ばには見えないとっても素敵なおばあちゃん。
いえ、おばさまってカンジです。
海外と日本を往ったり来たりしている事業家で
歴代総理とお仕事したことも多々有りの素敵な愛子さん。
今は引退して悠々自適な生活を送っていらっしゃる愛子さん。
今回はウエルネス関係者のご家族と一緒にギリシャに遊びに来たら…
いきなりお握りを100個以上握ることになったり!
素麺を何束も茹でたり…と
サプライズ続きでダウン寸前だったそうです。


そんな愛子さんやサポーターの皆さんの手作りお握りを3個も美味しく頂きました。
レース前にも朝食としてホテルでお握りとお味噌汁を作って頂いたのですが、
私はほとんど食べませんでした。
なぜならいつもレースの前半は下痢で大変な目に合うからです!
ひどい時には30km内に10回近くもトイレ通いした事も。


ここでは日本のウルトラレースの様にエイド毎にトイレは設置されていません。
自分でガソリンスタンドやレストラン、ショップなどのトイレを借りに行かないとダメなんです。
(但し夜は…自然のトイレ、つまりお外でします)

前半からトイレ通いではレースに集中出来ません。
なので日本での練習の時からゼリーだけ、プロテインだけ、カステラだけなどで
朝からのロング走行を繰り返し行ってきました。
余り食べていなくても走れる身体作りです。


今回のレース前は、お握り1/2個、カロリーメイトゼリ1/2個、
カステラ1口、ザバスプロテイン・AQUAを200mlでした。

そして見事作戦成功です!
(下痢になったのは結局夜中にお外トイレを自由に使えるようになってからでした。)


 



さぁ、次はCP22を目指します。
少しずつ気温が高くなってきたようです。
エーゲ海沿いを眺めながら走るのはとっても気持ち良いのですが、暑い日射しが容赦なく照り付けてきます。
給水と塩分に気を付けなければ(正夢でしたね)。





ウエアは、上はワコールCW-XのX-FIT半袖シャツ(お気に入りカラーのピンクです♪)、
下は同じくワコールCW-Xのハーフタイツ。
そしてアディダススコート(テニス用)を重ねました。
このスコートはポケットが4個着いています。
それぞれに、撮りきりカメラ・CP一覧表・サプリメント・給食を入れておきました。


これ便利でしたよ。
エストポーチを開けたり閉めたりする手間が省けます。
ドラえもんポッケみたいです。


サプリメントポッケにはアミノバイタル、メダリスト、日清ファルマWGHpro、
パワージェル、アスリートソルトなど。
CPで預けたものを一つずつ引き取りポッケに入れておいて
随時摂取します。
そして次のCPでまた一つという風に。


給食ポッケには、塩飴(すー。さんのおすすめ)、梅干し、一口カステラ、ブドウ糖
生姜の砂糖漬け(これは絶対おすすめです!良く分からないけど食欲増進しちゃう作用があるみたいで
自然にエネルギーを補給したくなっちゃうんです)。


 
そして65kmくらいの小さな町を通過しようとしたら、
ショップから出てきたおじさんが私に冷たいミネラルウォーターを手渡してくれました。(この写真はまつたけくんHPから頂きました)

CP毎に必ず500mlペットボトルのお水を頂き、こまめに給水したり時には頭や首にかけたりしていましたが常温のものがほとんどでした。

一番暑い時に冷たいお水…とっても美味しい。
喉にすっーーーーと入っていきます。おじさん、感謝です!


そして、70km先にも道端に小さいテーブルが出してあり
そこにはペットボトルが置いてありました。
ちゃんと日影になっています。
このペットボトルは毎年置いてあるとKAMEIさんからスタート前に聞いていたので、
“あったー、これが言ってたお水だ!”とまたまた美味しく飲み、
もったいないけど頭や首にも掛けました。
気持ちいい〜。


一日目の気温はどれくらいだったのでしょうか?
もちろん30℃以上はあったと思います。


ギリシャの暑さ対策として練習は出来るだけ太陽が出ている時間を選びました。
私の住んでいる埼玉は今年何度も最高気温が40℃を超えた土地です。
そんな中、ヒーヒー、汗はダラダラ流しながら走っていました。
この暑さ対策の練習の成果か、ギリシャの暑さは然程気にならない身体に出来上がっていたようです。
脱水が怖いので、塩飴と梅干とアスリートソルト、
そしてCPに置いてある塩がたっぷりまぶしてあるクラッカーを取りました。




そうこうしている内にコリントス運河に差し掛かりました。
うわぁー。
噂通りのすごい運河!
この桁下は60mくらいあるらしい。
足がすくむぅ。
ここでは立ち止まって何枚も写真を撮りました。

この運河を越えればCP.22ヘラスカンはすぐそこです。
ここはサポート隊と接触を許されるCPになっているのでみんなに早く会いたい〜♪と軽い足取りでCP入りしました。






■CP.22(81km)
ヘラスカン15:41(8H41')