第5回日本横断『川の道』フットレース

川の道フットレースに行ってきました。
とは云っても私が走ったわけじゃありません。
サポートです。

このレースは520kmの部(日本横断ステージ)、265kmの部(荒川〜千曲川ステージ)、255kmの部(千曲川信濃川ステージ)となっています。

コースは東京湾・荒川河口(葛西臨海公園)をスタートし、荒川を遡り(戸田彩湖〜熊谷〜秩父〜川又)、三国峠越え(中津川林道)、信濃川を下降(小諸:265kmの部のゴール、255kmの部のスタート〜長野、長岡)〜新潟市日本海岸〜新潟『ホンマ健康ランド』がゴールになります。
全長520km、制限時間132時間という長い長いレースです。
結局間に一日だけお休みをいただき、4/29開会式、4/30葛西臨海公園から5/1の秩父こまどり荘、5/3小諸から5/5の新潟ゴールまでのサポートとさせてもらいました。


私はこのサポートを引き受けたものの、さくら道を終えたばかりのヨロヨロした身体でしっかりとみなさんのサポートが出来るのか正直不安もありました。

レース前に届いたコース地図とプログラム。
地図は20枚に及びます。
地図読みが苦手な私は目が点。
そしてプログラムの参加者名簿にはお一人ずつのレースに対する思いが書かれていました。
これを読んだ時に、みなさん一人ずつのそれぞれの目標を実現して欲しい、どうか完走してと願わずにはいられませんでした。
そしてその為のお手伝いが少しでも出来たらいいなと。


4/30、4時起きして始発電車で葛西臨海公園へ。
当日受付とナンバーコールを担当しましたが、フルの参加者にはさくら道を走ったばかりの方が4人もいらっしゃいます。
みんなダメージはないの〜?(結局みなさんそろって520kmを完走されました)
9時にフルの部51名、前半ハーフの部22名がスタート!
スタートを見送り急いでCP1戸田市彩湖畔(35.7km)へ。
サポート車は全区間5〜6台でしたが、私は先頭車でエイド設置の各CPやレストポイントに到着しなければなりません。
渋滞があったりしたので少し気持ちが焦ります。
CP1に到着後、コース矢印の白線引き、給水や給食の準備。
ここで出したのはおにぎり、素麺、フルーツ、いなり寿司です。

そして先頭集団が着いたと同時に出発し次の担当のエイドCP3吉見町・桜堤公園入口(65.6km)へ。

ここへ来る途中ではレストポイントで出す食事の材料などを買い出しです。
ジャガ芋も玉葱など野菜を大人買い
桜堤公園では先頭と後続ランナーとの間が少し開いていたので、お迎えがてらコースを逆走しました。
夕方になると少し風が出てきたのか気持ちいいです。



昼間は気温が高かったので日陰が少ない荒川沿いはランナーさんにとっては暑かったでしょうね。
みなさんいいお塩が出てましたよ〜。
このエイドではおにぎり、豚汁、素麺、おしるこ、フルーツを用意しました。

19時頃までCP3にいましたがどんどん気温が下がってきました。
今度は夜の冷え込みが心配です。

CP4鴻巣市・大芦橋(74.5km)にはちょっとだけ顔出し。
ここではカップ麺が出されていました。

そしてCP9秩父市・こまどり荘(170.2km)へ。
途中何箇所か迷いそうなポイントで白線引きをしました。
先程のエイドで送り出したみなさんをこの区間で抜かしていきます。

ゼッケンを付けているランナーを見つけると嬉しくなり助手席の窓を開け、大きな声で名前を呼び手を振ります!
声を掛けると必ず車を目指してスピードアップしてくれるんですよね。

こまどり荘に着いたらまずは預かった荷物を借りているバンガローに移します。
正直この仕事が一番辛かった〜。
70個以上の荷物です。しかもおっ、重い。
何が入ってるんだ〜。海外旅行に行くのかしらと思うような荷物もありました。
考えて見たら…さくら道で私も小型のスーツケースを預けたわ。
自衛隊のお兄さん大変だったはず。ごめんなさい。
これからは小さくまとめないといけないとプチ反省。
荷物運びを終え、こまどり荘のお風呂へ。
ゆっくり入ってはいられませんでしたが深夜に貸し切り温泉はたまりません。
お肌がつるつるっになっていいお湯でしたよ。なんて贅沢♪
星がとっても綺麗な夜でしたね。
さぁ、早朝にはランナーが到着します。
70人分のカレーとシチューの準備です。
こんなにたくさんの野菜を切ったり刻んだのは初めてです。

出来上がったのは夜明け前でした。
ちょっとウトウト。1時間くらいは寝たかな。
そして最初のランナーさんが到着です。
レストポイントでは最低フルの部3時間、ハーフの部2時間の休憩を取らなくてはなりません。
到着した時はヘロヘロのみなさんもお風呂、食事、仮眠と短い時間を有効に使われ、パワー充電して元気に出発していかれます。


T山さん特製カレーはとっても好評でしたよ。

煮玉子、ブロッコリー、納豆のトッピング希望を聞いて盛り付けます。
カレーに納豆???
ただカレーは一杯限定です。
二杯目はシチュー。他にはお粥、野菜サラダ、蒸し芋、白玉団子を出しました。
こまどり荘を出ると三国峠(標高1828m)が待ってます。
ここでしっかり腹ごしらえしていかないと大変ですからね。

この頃になるとランナーとランナーの到着時間は1時間以上空いてしまうようになりました。
そんな時は中津川沿いのコースを逆走してランナーさんを迎えに行きました。
山と川がずっと続く気持ちいいコースです。
でも夜にここを通るのは怖いだろうな〜と思う場所がいっぱいでした。







そして夕方17時過ぎに任務終了、サポートを終え車でコースを逆走しながら戻ります。
まだまだ後続のランナーが走っていて何人かにすれ違います。
最終ランナーまで確認しました。みなさん疲労が濃くなってる気がします。
秩父市に入ってからは上りが続き、道も狭くなるし、街灯も少ない…どうか無事にこまどり荘にたどり着きますように。

結局自宅に帰ったのは21時頃でした。
夕食を食べ、お風呂に入りお昼頃まで爆睡でした。

でもみんなは今頃はどこを走っているのかな?前半ハーフの部はゴールしたのかなぁ?と気になって仕方ないのです。
これなら通しでサポートやれば良かったわ。


5/3、11時の後半の部のスタートに間に合うように小諸市へ。
フルの部の方はみなさんもうここを通過されています。

小諸グランドキャッスルホテル前で31名のスタートを見送りCP14上田市上田城跡入口(283.5km)へ。
さぁ急いでエイド設営です。本当は給水だけのエイド予定だったのですが、何か食べてもらいたいと思い、走ってスーパーへ。フルーツをたくさん買い、あと長野牛乳も用意してみました。


ハーフの全部のランナー通過後に、CP19津南町・深雪会館(394km)へ移動です。
ここはレストポイントにもなっているのでサポートも大忙しなはず。
途中のCP16長野市善光寺にも寄り道したかったのですが7年に一度の御開帳にあたっていて道路が混んでいたのでコースを外れ最短ルートを通りました。
川は千曲川に入っていたのですが、またまた美しい風景がいっぱいでした。
林檎の白い花、菜の花。
車からはゆっくり見られませんでしたが、この風景を見ながら走ると気持ちいいだろうなぁ〜。





この区間ではフルの後方ランナーの皆さんを抜いて行きました。
300km以上過ぎていますが、まだまだ残りは200kmあるのです。
18時に深雪会館へ到着。

ここでサポートをさせてもらう予定でしたが今年は先頭の二人が去年より10時間近く早く走っているとのこと。
またまた先頭車でのサポート担当になりゴールに一刻も早く向かうことになりました。
滞在時間10分くらいの間にここで出されていたカレーライスを夕食代わりにいただきました。
ここのカレーはあきやまひろみちゃんの特製カレーだそうです。こちらもおいしい。

そして小千谷市内のコース上にあるWさんのお宅へお邪魔しました。
Wさんは毎年ご自宅のガレージで私設エイドを開いて下さっているとのこと。

ご自身もランナーさんなので、厚いおもてなしをしてくださりここでついつい長居をしてしまうランナーさん多数。テントまで用意して下さっているので仮眠して行くランナーさんもいます。
本当にランナーさんにとっては感謝感謝のエイドでしたね。


そしてやっとゴール地点(520km)の新潟市『ホンマ健康ランド』に到着しました。

車での移動も長いのにこの距離を人間の脚だけで進んで行くなんて想像を超える世界です。
そしてそれを実現する為に51名のランナーは前へ前へと進んでいるのです。

朝になり日本海岸へ。
矢印の白線引きです。
雲が多く日本海の眺めも残念ながら良くありませんでした。
でもランナーにとってはこれくらいのほうがいいよね。






このCP25(516.3km)が最後のチェックポイントになります。
ここでランナーさんからは本部の携帯に到着したことの連絡を入れてもらいます。
中には携帯を落としてしまったり、水に濡れて壊してしまったりで突然ゴールに飛び込んで来られる方がいて慌てることも。

せっかく長い距離を走って来られたのだから出来るだけ大勢でゴールでお迎えしお祝いしたいですから。
そしてゴールにはT山さんが待っていて、ゴール直後にみんないい表情でT山さんとハグハグされています。
男性同志が抱き合ってる光景なんて余り見ないですが、それがなんだか羨ましく思えるくらい温かくて優しく感動的なんです。


5/5.PM9のゴール閉鎖を迎えるまでがまた長い時間でした。
ランナーが続けて到着することもあればバッタリと途切れてしまうことも。


スタッフは交替で仮眠しましたが私は細切れに毎日2、3時間寝たかなってカンジでした。
それでも疲れたという気がしなくどんどんテンションアップしていきます。

5/5の早朝にはCP25の日本海岸までをジョグ。
美しい朝日を見ることが出来ました。


そして信濃川の土手沿いを走って来るランナーの姿を見つけては喜々として駆け寄ります。



5/5PM10:01最終ランナー(準完走)が到着です。

これを持って川の道フットレースは終了です。
お一人ずつのドラマがありその一番輝くゴールという瞬間に立ち合うことが出来、たくさんたくさん感動もらいました。
いっぱいいっぱい元気をもらいました。
私はあまりランナーのみなさんのお役に立てずゴメンナサイ。


川の道…海から山へ、そして山から海へと2つの大河の生涯をたどる『川の道』は、荒川と信濃川のほべ総延長にあたる520kmに及ぶ。私たちはウルトラランナーにこの壮大でロマンあふれる『川の道』を走り抜くことによって超長距離走の醍醐味を味わい、そして何かを感得していただきたい。(大会パンフレットより)


私がこの大会をサポートで確認出来たこと。
それは走ることへの『情熱』かな。
この気持ちを失わなければ細く長くどこまでも走り続けて行ける気がしました。
私もまた自分の道探しを始めます。